これから就活をスタートさせるみなさん、「SPI」の対策はしっかり進んでいますか?
「SPIって何?」「就職活動でどれくらい大切なものなの?」などと疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
SPIは、多くの就職・転職活動に必要不可欠な試験です。
SPIとは、「言語」と「非言語」、それに「性格検査」の3種類のテストを通して、基礎能力の高さや性格、仕事の傾向などを分析するものです。
特に、民間企業の一次試験でSPIを取り入れているところが多い傾向にあります。
最近では、市役所をはじめとして公務員試験でSPIを導入するところも増えています。
今回は、就職や転職をスムーズに進めるためのカギとなるSPIについてご紹介します。
Contents
どんな問題が出題される?
SPIの試験では、「言語」、「非言語」、「性格検査」の3種類を受験する必要がありますが、それぞれどのようなテストなのでしょうか。
それぞれについて詳しく見てみましょう。
「言語」のテスト
「言語」分野では簡単な国語の問題が出題されます。
30分間程度で50問ほどの問題数を解いていきます。
短い文章を読んで問題に答えたり、よく使われる慣用句の意味を答えたりするものです。
熟語の構成や、助詞の意味を答える問題もあり、一見簡単です。
しかし、対策しないと意外と解けません。
評論文などの短い文章をいくつも読まなければならず、集中力が切れないようにするのは大変です。
「非言語」のテスト
「非言語」分野では中学~高校程度の数学の問題が出題されます。
40分で40問ほどの問題数があり、複雑な計算を必要とする問題が多く出題されます。
しかし、中学や高校の数学が苦手だったり、そもそも習っていなかったりというような人にもできるような単純なやり方で解く問題ばかりです。
同じSPIでも、非言語は言語より難易度が高いです。
解き方がわかれば計算は簡単なのですが、解き方がわからないと手も足も出ない場合がほとんどです。
また、間違いやすい解き方で解いたいわゆる「よくある誤答例」がたくさん選択肢に並んでおり、カンで解こうとしてもうまくいきません。
SPIでは電卓の使用が禁止されているので、自分の力で計算をしなければなりません。
また、計算用紙は配られないので、問題用紙の空欄部分に計算を書くのが基本となります。
確率の計算や、距離と時間と速度に関する計算、グラフの読み取りの計算など、問題文をしっかりと読んで、かつ素早く計算して解き進めていかなければなりません。
ここで注意したいのは、非言語分野では何問かに分かれて出題があるのですが、そのうちの最初の1問目を間違えてしまうと、それ以降のすべての計算が狂ってしまうという恐ろしい事態を招いてしまう可能性があるということです。
簡単な問題は特に注意して、ケアレスミスがないように解いていく必要があるのです。
また、選択肢の中に自分が解いた答えとぴったり当てはまるものがないことがあります。
そうなったときは単純に計算が間違っているときもあるのですが、「当てはまるものはない」という選択肢を選択しなければならないパターンや、四捨五入していちばん近い数値を選ばなければならないパターンも結構あります。
選択式だから簡単だろう、どれか塗りつぶせば当たっているだろう、などとたかをくくるのではなく、そのようなワナにひっかからないように、確実に自分の力で正しい答えを導き出さなければなりません。
性格診断テスト
性格診断テストでは、かなり多くの質問に対し、自分の性格や普段の行動に当てはまると思うものを、「とてもよくあてはまる」~「まったくあてはまらない」の5段階で答えていきます。
正直に答えていけばいいのですが、たまに「風邪を引いたことが今までに一度もない」や「道にだれもいないときに赤信号を渡ったことがある」など、変な質問があります。
これらの質問には正直に答えていいのか迷ってしまうこともあります。
しかし、自分を良く見せようとあまりに正直に答えなさすぎると、必ずばれてしまいます。
それがこのSPIの性格診断の恐ろしいところです。
かなり多くの質問の中に、ほとんど同じことを聞いている質問がいくつか混ざっていて、その回答が矛盾していると、「この人は嘘をついている」と機械に判断されてしまいます。
さらに、この診断テストは選考の際の貴重な資料として用いられます。
面接での人柄と性格診断の結果として出された人柄があまりにも異なっていると、これも「この人は嘘をついている」という判断につながってしまうのです。
これは個人的な体験談ですが、内定をいただいたあとの個人面談で再度「あなたは自分をどのような性格だと考えていますか?」と質問され、答えたところ、SPIの性格診断テストの診断結果が書かれた紙を見て、確かにそうですね、と言われたことがあります。
性格診断テストでおおよその性格を知り、面接などで確認する、という使い方を企業側はしているようです。
嘘をつく人よりは正直な人を採用したいと考えるのが企業側の本音ですから、性格診断テストの時点でマイナスな印象を与えるようなことは、避けたいところです。
さて、それぞれのテストの特徴について書きましたが、その中でも最大といえるSPIの特徴は、とにかく問題数が多く、短い時間でたくさんの問題をこなさなければならないということです。
これらのテストはすべてマークシート式(選択式)で、いくつかの選択肢の中から正しいと思われるものを選んで塗りつぶしていきます。
言語分野は言語分野で、非言語分野は非言語分野でそれぞれ制限時間があり、その時間を過ぎてから戻って解くのは不正行為にあたるので、決められた時間内に確実に問題にとりかかる必要があるのです。
対策はいつからやるべき?
結論から言うと、SPIの対策は早ければ早いほど良いです。
SPIは時間との勝負ですので、たくさんの問題を制限時間内になるべく正確に解き進めていかなければなりません。
SPIの問題は、一般的にはなかなかすべてを解ききることは困難であるといわれています。
たまにSPI試験の対策本などに、「わかる問題を確実に解いて、わからないと感じた問題はとりあえずマークシートにマークだけしておいた方がいい」だとか、「解けないと感じた問題はいさぎよく捨てて先に進みましょう」などと書いてあることがあるくらいです。
SPIは限られた時間の中でどれだけの仕事量をこなせるのかを見ているテストでもあることから問題数に対して時間が短く設定されているので、全部を解こうとするのは無茶だ、と考えている人も多いです。
しかし、絶対に解ききることができないかといえば、そのようなことはありません。
なぜかというと、SPIの問題はある程度似たような問題がほとんどで、1回解き方を覚えてしまうと、その後は一瞬で解くことができるからです。
実際に、問題の中に登場する数字をちょっと変えただけだったり、問題文の固有名詞を変えただけだったりする問題も以外と多いです。
これは体験談なのですが、私は違う企業のSPIで最初から最後までまったく同じ問題を2回解いたことがあります。
これは少し珍しいことかもしれませんが、それくらい同じ問題が出やすいのがSPIの試験なのです。
だからこそSPIは練習でたくさんの問題を解いて、さまざまなパターンの問題に慣れておく必要があるのです。
そうすることで、「全部の問題を解くことなんてできるわけがない」とあきらめているほかの受験生と、圧倒的に差をつけることができます。
SPIは、決められた選択肢の中から答えを選ぶ試験ですから、決まった答えのない面接試験とは違って、一問一問が大切になってきます。
SPIは、ある程度問題がパターン化していますので、パターンや解き方さえつかむことができれば、努力次第で誰でも点数をあげていくことができます。
就活の選考でもっとも対策しやすく、対策すればするほど伸びるのがSPIなのです。
これらを踏まえて、対策は遅くても試験日から3か月以内には始めるようにしましょう。
たまに長時間問題を解くというのではなく、毎日少しの量を確実に解くことが大切です。
SPIの出題形式は独特なので、その独特の試験の雰囲気に慣れておく必要があります。
普通の試験は、一問一問をじっくりと解くことが多かったですが、SPIはそうではありません。
短い時間内にできるだけ多くの問題を解いていかなければなりません。
SPIは、どちらかというと100マス計算に近いといえます。
毎日問題に取り組むことで、頭をSPI用に切り替える練習をしておくのが良いでしょう。
おすすめの問題集・参考書(2019年版)
さて、SPIの対策は早いほうが良いと言いましたが、具体的にどうやって対策したら良いのでしょうか。
ペーパーテストである本番と同じように、紙と鉛筆に向き合って問題を解いていきたい!という方、SPIの問題を解くコツを詳しく知りたいという方には、問題集や参考書を1冊購入するのをおすすめします。
メジャーでかつおすすめの問題集・参考書の例を少し紹介します。
「2019最新版 史上最強SPI&テストセンター 超実践問題集」(ナツメ社)
これは、とにかく早く問題を解き進めたい方におすすめしたい問題集です。
SPIは時間との勝負になりますが、その中で有効な時間の使い方や解法などをわかりやすく解説してくれている本です。
素早く解くための計算方法、計算するときのメモの仕方、用紙の使い方など、非常に細かいところまで解説が書かれています。
詳しい解説なので、すぐに実践することが可能です。
そしてこの本に書いてあることを実践すれば、素早く確実に解けるようになります。
また、それぞれの問題に難易度が明記されているので、簡単な問題から取り掛かることもできます。
解答が別冊としてついており、取り外しができるのも便利なポイントです。
「これが本当のSPIだ!2019年度版」(洋泉社)
イラスト付きでわかりやすく問題の解き方を解説してくれる本です。
問題集というよりは参考書であるといえます。
問題と解き方のヒントが載っており、次のページに答えと解説が載っています。
ページを多く使った、ゆったりとしたページ構成となっており、非常にわかりやすい参考書です。
パターン別にそれぞれいくつかの問題が掲載されています。
この問題集で対策することで、問題のパターンを的確に見分けることができるようになります。
解法を覚えてしまえば、どのような問題にも対応できるようになるのがSPIテストの良いところですので、解法を丁寧に解説してくれているこの本は、一読の価値があります。
スマホでできるSPI対策もある
SPIの対策本はたくさんありますが、そうした問題集や参考書にはデメリットもあります。
具体的には、SPIの対策本はたいていどの本も分厚く、かばんに入れて持ち歩こうとすると、かばんがパンパンにふくらんでしまう…ということが挙げられます。
筆記試験の対策は筆記形式でやりたい!本番と同じように対策をしたい!という方には問題集や参考書で対策することをおすすめしたいのですが、もっと簡単に対策をしたい!という方には、スマートフォン用のアプリを使った対策をおすすめします。
スマホ用のSPI対策アプリは、無料で手軽に取り組むことができます。
SPIの問題集は、書店で新品のものを買うとどこの出版社のものでも2,000円弱かかりますので、費用を極力おさえたい方にも、無料でインストール&利用できるスマホアプリはおすすめしたいです。
特に非言語のテストは計算が多く、紙とペンを用意しなければ解くのが難しい場合が多いのですが、言語のテストの対策にはアプリが便利です。
スキマ時間にいつでもどこでも問題を解くことができますし、間違えた問題をマークしておいてあとから解きなおすことができたり、苦手な問題を集中的に対策してくれる便利な機能がついていたりするのも、本にはないスマホアプリならではの魅力であるといえます。
早めの対策が吉!SPIを突破しよう
SPIは、「できなくても面接が得意だからいいや」などといって対策をしないというわけにはいきません。
なぜなら、多くの企業の選考での一次試験として導入されているため、この試験に突破しないと次のステップの選考に進むことすらできないからです。
極端な話ですが、どんなに社長に非常に気に入られていても、SPIテストで最低でもこのくらい!というボーダーラインの点数を取ることができなければ面接に進めず、その時点で不採用となってしまうのです。
ボーダーラインは企業によって異なりますが、面接重視・人物重視のところでは、5割程度がボーダーラインであると一般的には言われています。
そのあとのことも考えると、最低でも6割は正答できるように対策しておく必要があると思います。
倍率が高い人気の企業では、6~7割以上取らないと自動的に不採用になってしまうこともあるようです。
SPIは、大学受験でいうところのセンター試験のような役割をになっている試験なのです。
しかし、センター試験と異なっている点としては、SPIの問題は基本的に単純なものであり、SPIは対策すればだれでも確実に点数をあげることができる試験であるといわれています。
SPIはグラフや確率の計算、図表の読み取り問題など、会社に入ってから必要となるさまざまな能力について、現段階でどのくらいの能力を持っているのかということを見るための試験でもあります。
就職活動でのSPI試験であまりにも点数が低い人を落とすのは、仕事をするための基礎的な学力が足りていないと思われてしまうからです。
コミュニケーション能力に自信がある人や、面接で直接会って話したい・伝えたいことがある人などは、面接の段階まで進みたいわけですから、筆記試験の段階で落とされてしまったら悔やんでも悔やみきれませんよね。
逆にSPIで良い点数を取っていれば、ほかの人と早い段階で差をつけることができるほか、企業の側から「この人と会ってみたいな」と思ってもらうことも可能になります。
面接は面接官によって感じ方もバラバラで、確実な手ごたえを感じるのは難しいです。
たまたま面接官との相性が悪く、悪い点数をつけられてしまったという話もよく耳にします。
しかし、決まった答えが用意されているSPIでは、正解すれば確実に点数につながりますから、選考の際の強い味方になります。
また、対策すればするほどパターンがわかってくるので、点数を確実に稼ぎやすくなります。
さいごに
就活では面接がもっとも大切だと考えている人のほうが圧倒的に多いため、SPIの対策はおざなりにしてしまいがちですが、SPIの対策をきちんとすることによってそのような人と簡単に、また確実に差をつけることができます。
だからこそ、SPIの対策をしっかりとすることが重要なのです。
早めにコツコツと対策をして確実に点数をアップし、最初の難関である筆記試験を突破し、就活・転職活動をスムーズに進めましょう!
【この記事を書いた人】
ペンネーム:ふにゅ
ビジネススキルや参考書についての研究・執筆を行っています。
「周りの友達が内定をもらい始める中、自分だけが取り残されている気がして不安」
「そもそも自分が本当にやりたい仕事がよくわからない」
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