企業研究のポイント

 

就活において自己分析と並んで重要な準備が応募先の企業がどのような企業であるかを分析する企業研究です。

しかし、いざ企業を研究しろと言われてもどのような観点で企業の事を分析すれば良いのか分からないという人も多いのではないでしょうか。

企業研究は必要だと分かっているけれども、何をしたら良いか分からないという就活生に向けて企業研究の時にチェックするポイントについて説明します。

 

 

採用サイトを隅から隅まで読んでみる?

まず、就活生にありがちなのが会社の採用サイトを隅から隅まで読み込んで、どのような企業なのかどのような人材を求めているのかを考察しようというパターンです。

確かに採用サイトをチェックする事も必要ですが、実はそこから得られる情報は限られています。

良くも悪くもこのようなサイトには当たり障りのない事しか書いていない事が多々あります。

 

「人材を大切にする経営方針である」「利益だけではなく社会貢献も重視する」「チャレンジ精神旺盛、主体的に行動できる人材をわが社は求めています」どこの企業の採用サイトにも同じような文句が並びます。

このような文句を額面通り受け取るとどの会社も同業者であれば結局同じような事をやっているのではないかと違いが分からなくなったり、採用サイトの内容をそのままなぞったりするだけのエントリーシートが出来上がります。

 

もちろん、このように採用サイトだけを読んでエントリーシートを作り込んで、面接に臨んでも内定を貰える場合もあります。

多くの就活生はこのレベルで企業研究を行っていますし、世間的には採用難が続いているので、就活生の能力が高かったり、面接官とのフィーリングが合ったりすれば十分に内定を勝ち取れる可能性があります。

しかし、企業研究をきちんと行って他の就活生と差をつけたいという人は企業研究について一歩踏み込んだ考察を行う必要があります。

 

 

業界本・IR資料・転職口コミサイトは要チェック

まず、企業研究にあたっての材料を採用サイト以外も用意する必要があります。

その中でもチェックしておきたいのが業界本・IR資料・転職口コミサイトの3つで時間をかけて準備をしても内定が欲しい企業についてはこの3つをチェックするようにしてください。

それぞれがなぜ重要なのかについて説明します。

業界本

就活先の企業選びには様々パターンがありますが、多くの人は業界を決めて1つの業界に対して少なくとも3社や4社、多い場合は10社以上に対して就活を行っているのではないでしょうか。

その際にはまず企業研究ではなく業界研究を行った方が良いでしょう。

特に私たちがイメージしやすい一般消費者向けのサービス(BtoC)以外にも事業者向けのサービス(BtoB)には私たちには馴染みはないけれども優良な企業があふれています。

例えば上場企業を平均年収だけで並べると、GCA、M&Aキャピタルパートナーズ、キーエンスなどが上位に並びますか、これらの企業が何をしているかわからないという人も多いのではないでしょうか。

 

就活をする際にまず知らなければならないのは、狙っている業界の状況です。

このためにはまず、会社四季報、業界地図などから自分が受けたいと思う業種を絞り込んだ上で、より細かい情報が掲載されている各業界の業界本で情報を収集すると良いでしょう。

ちなみに、いつ発行されたかというのはとても重要で安いからと言って古本屋で10年前、20年前の四季報や業界本を手に入れてもほとんど役にたたないので気をつけてください。

 

IR資料

業界本を読むと現在その業界がどのような展望になっていて、各企業がどのようなポジションに位置しているのかという俯瞰図が判明します。

そうした上で、次に知るべきは各社がどのような方針で経営されているかということです。

これにはIR資料が役立ちます。上場企業は必ずと言っても良いほどコーポレートサイトにIR情報を掲載しているので確認してください。

有価証券報告書は多少専門的な知識を保有していないと読むのが大変なので、アニュアルレポートや中期経営計画書、株主総会の説明資料のようにわかりやすく説明しようとしている資料を読んだ方が良いでしょう。

また、この時にその会社のライバルと言われている企業のIR資料を同時にチェックするのもポイントです。

同業種のライバルと言われている企業のIR資料と比較する事によって、それぞれの会社がどの様な実績があって、今後どのようなポジションを目指しているのかがわかる様になります。

 

転職口コミサイト

さいごに重要な情報ソースとして挙げられるのが転職口コミサイトです。

みん就のような新卒向けのサイトではなく、転職者向けの口コミサイトをチェックしてください。

転職者向けの口コミサイトには実は貴重な情報が多く、現場社員が経験から得た同業他社との違いや、実際の働き方、採用サイトなどには詳しく乗せていない会社のユニークな制度などに関する情報がたくさん記載されている事が多いので、かなり細かい情報まで転職口コミサイトから情報を入手する事ができます。

実際の選考フローについて調べる際には新卒向けのサイトを閲覧した方が良いですが、企業研究を行う際には積極的に転職口コミサイトをチェックしておいたほうが良いでしょう。

 

 

役立つ情報ソースは全てチェック!

業界本・IR資料・転職口コミサイト以外にもケースバイケースで有効な情報源となりえる情報ソースがあるので、必要に応じて見るべき情報ソースをいくつか紹介します。

OB訪問

例えば、銀行などは大学OB訪問からのリクルートが重要な採用手段となっていますが、OB訪問も重要な情報源となります。

OB訪問それ自体が選考に関連している場合はすぐに申し込んでも良いのですが、OB訪問が選考との関連が薄い場合は企業研究をしっかり行って質問を作り込んだ上でOBと合わないとせっかくの時間を無駄にしてしまいますので気を付けてください。

 

創業者に関する本

例えば、パナソニックの松下幸之助や京セラの稲森和夫などのカリスマ経営者と呼ばれる人たちは経営の第一線からも会社の経営方針や哲学に対して大きな影響を与え続けており、社員の中には信奉者も少なくありません。

創業者がカリスマとなっている場合は創業者に関する本もチェックしておいた方が良いでしょう。

 

業界新聞・業界雑誌

世の中にはあまり知られていない特定の業界に特化した新聞や雑誌があります。

例えば、住宅産業に特化した住宅産業新聞、リユース業界に特化したリサイクル通信、食品業界に特化した食品産業新聞など様々な業界紙が存在します。

業界研究や個別の企業研究を深めるためにはこのような新聞・雑誌を読むのも良いですが、どうしても手間の割に報われにくい情報ソースです。

就職した業界を一点突破で狙う場合などは大学や公共の図書館で読むと良いでしょう。

 

 

最低限やっておくべきポイント

以上のような情報ソースを元にどのような観点から企業研究を行うべきなのか、企業研究によって応えられるようになりたい質問をベースに企業研究のポイントについて説明します。

業界はこれからどの様になるのか?

一番マクロな観点から答えるべきは「業界はこれからどの様になるのか?」という質問です。

どの業界も、海外企業とどのように戦っていくか、減少するであろう日本の消費需要を何で埋めるか、IT化・AIとどのように向き合うのかというなど様々な悩みがあります。

業界が伸びそう、小さくなりそうだけではなく、なぜなのか根拠についてもきちんと考える必要があります。

業界本やニュースを中心に自分でその業界が今後どうなるかを考えてください。

 

志望している企業の現在と今後のポジションを把握しておく

企業の強みというのは相対的なもので、どの会社も同じようなサービスを行っていると思っても、全国区であったり、商圏バッティングが発生していたりする限り何らかの住み分けがなされています。

例えば、イオンと松坂屋は小売店という意味で同じサービスを行っていると言えますが、扱っている商品の価格帯や客層も違えば、立地も異なるので差別化されていると言えます。

他にも携帯キャリアは横並びだと言われていますが、KDDIは店舗網を活かして通信だけではなくガスや電気の販売を行って他のキャリアとの差別化を図っています。

このように企業研究を行いよく観察すれば企業毎の違いはあります。

志望する企業が現在業界内でどのようなポジションにいるのか、今後どのようなポジションを狙っているのか、業界本やIR資料、転職口コミサイト、ニュースなどを総合的に利用して分析・説明できる様にしてください。

 

企業のどこが魅力的?

次に説明できる様にならなければならないのが自分はその企業のどこに魅力を感じているのかということ。

企業研究が浅い場合は経営方針や人材に対する考え方を挙げがちですが、本当は違うはずです。

本当はやりたい仕事やその企業の強みや働くメリットがあって志望するはずであって、経営方針や人材に対する考え方は本来的には副次的な動機のはずです。

 

志望動機を書く際にもその企業の自分にとっての魅力を明確化する事は重要です。

ネームブランドに魅かれている場合でも、なぜそのネームブランドがこれまで守られてきたのか(技術的な優位性、ホスピタリティー、経営の仕組み)などをきちんと分析した上で自分にとって企業の何が魅力的なのかをきちんと説明できるようにしておいた方が良いでしょう。

 

自分はその企業にどのように貢献出来るのか?

次にできれば自分がその企業にどのように貢献できるのかを企業研究から導き出す必要があります。

ただし、新卒で就活段階という事もあり文系の場合は、企業にどのように貢献できるのかという事を論理的に説明する事が困難な場合が多々ありますので、無理にこじつけてまで考える必要はありません。

理系の場合は、志望している企業の保有している技術を確認した上で、どのような技術に興味を持ち、どのような技術に関連した専門性を持っているのか説明できるようにしておいた方が良いでしょう。

 

 

企業研究をどう就活で活かすのか

以上のように、企業研究のポイントについて、情報ソースと研究によって応えられるようになるべき質問という2つの観点から説明してきましたが、最後に企業研究は就活でどう活かす事ができるのかという事について説明します。

企業研究には2つの効果があります。

1つは自分にとって本当に良い企業なのかを判断するための判断材料を作れること、もう2つ目は採用される確率を上げられるという事です。

 

企業のネームバリューに対するイメージが先行して志望企業を決める傾向がありますが、ネームバリューがあるからと言って必ずしも良い就職先だとは限りません。

よく企業研究をすれば自分にとってそれほど魅力的な企業ではなかった、候補にはなかったけどよく企業研究をすれば実は魅力的な企業が他にあったと言う事は少なくありません。

このように自分が本当に働きたいと思える企業を探すために企業研究は必要だと言えます。

 

2つ目の採用される確率を上げられるということですが、もちろん企業研究をした方が内定率は高まります。

企業研究をしっかりと行う事によって、志望動機や面接での受け答えでの的外れな応答が減りますし、企業研究をしっかり行っている就活生を採用したいと思うのは当然の事です。

就活において企業研究は自己分析と並んで重要な事ですので、志望度合いの強い会社についてはできるだけ企業研究に時間を割くようにしてください。

 

【この記事を書いた人】
ペンネーム:R.Y(就活サポーター)新卒でコンサルティング会社に入社後、中小企業の採用サポートに従事。
数十社の企業の採用業務に携わってきました。
現在はフリーランスの経営コンサルタントとして様々な企業の経営サポートを行っています。
就活に関しては企業の目線を踏まえつつ、就活生の皆様に実践的で役立つ情報を提供できるように取り組んでいます。

 


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