総合職と一般職の違い

 

就活で企業の募集要項を見ていて、一般職や総合職という言葉をよく見かけますよね。

内容の違いを理解できていますか?はっきりしたイメージが思い浮かばない人も多いのではないでしょうか。

この二つの違いはかなり大きいので、しっかり理解して自分の適性や将来像を考えながら職業選択をしていくことが大切です。

ここで、一般職と総合職の違いについて説明していきます。

 

 

総合職と一般職の位置づけ

まず、総合職と一般職の内容のそれぞれがどのようなものなのか、大まかな括りを確認していきましょう。

法律に定められたりしているものではないので、さまざまな定義を見つけることもあるかもしれないですね。

社会やビジネス環境の変化によっても、総合職と一般職の捉え方が異なってくることもあるようです。

この点も心の隅に留めて読み進めてみてください。

総合職とは

総合職の特徴には3つのポイントがあります。

その一つは、事業の基幹的な業務に携わるということです。

たとえば、営業職、マーケティング職、生産職、研究開発職、法務職などがあり、企業によっても異なっています。

その時々で臨機応変に対応したり、新しいものを生み出したりと日常的に決まった型のない職種ともいえるでしょう。

 

二つ目は、企業の流れを総合的に理解するために、企業の中の職種を異動によって経験することが多いということです。

企業のすべての職種は幅広いので、事務系総合職、技術系総合職、営業系総合職と括られていて、その分野の職種を一定期間ごとに経験します。

そして三つ目が、一つ目と二つ目の特徴の理由ともいえますが、将来的に組織の幹部や管理職になって活躍していくことを期待されるポジションだということです。

 

一般職とは

一般職の特徴には主に2つの特徴がみられます。

その一つは、基幹業務を行なう総合職の補助、補佐的な仕事に関わることが多いようです。

たとえば、営業資料の作成だったり、マーケティングに必要なデータの収集であったり、できあがった製品の品質チェックだったりというようなものです。

二つ目は、日常的な業務の型が決まっている事務的・作業的なものが多いということです。

たとえば、マニュアルが用意されていたりして、総合職のアシスタント的な役割を果たすこともあるでしょう。

 

 

総合職と一般職の違い

では、総合職と一般職の違いについて、具体的にはどのような点が異なってくるのか、さらに詳しく見ていきましょう。

就職活動では、それぞれのポイントについて企業ごとに確認して理解しておくことが大切になってきます。

業務内容と範囲

総合職にあてはまる職種には、営業職、技術職、事務職、専門職などさまざまなものがありますが、その特徴として業務範囲が広いという点が挙げられます。

一方で、一般職の場合は、総合職に比べると、絞られた範囲の業務を行なうことが多いようです。

待遇・給与

総合職は、企業の基幹的な業務を担っていくため、責任の度合いも一般職に比べると大きくなります。

将来の幹部・管理職候補でもあるため、各部署や職種での評価の基準が明確になっていることが多いようです。

はじめの段階での設定も高めで、昇給率も一般職に比べると高い傾向にあります。

 

成果がその時々によって異なるため、インセンティブなどが設定されていればそれだけ給与にも反映されやすいです。

また、転勤などが発生すれば手当も支給されることになります。

企業の中で多くの職種を経験することは、企業の事業についての知見や経験が深まるため、自己能力も上がっていくことが見込まれます。

昇格などに対する報酬も発生してくるでしょう。

 

やりがい

仕事のやりがいをどんな部分に見出すかは人によって異なりますが、総合職と一般職では、職務の形態から異なってくることを知っておきましょう。

総合職に就く人たちは、業務の裁量度が大きいことにやりがいを感じる人が多いようです。

第一線で活躍することができます。さまざまな仕事で多くの物事や人に関わっていくので、自分の視野がグンと広がることもやりがいにつながるかもしれませんね。

一般職でのやりがいは、有効なサポートができたことを実感するときではないでしょうか。総合職が第一線で活躍できるといっても一般職のサポートなしには進まない仕事はたくさんあります。

 

転勤・異動

総合職は、将来の幹部・管理職候補ということもあり、人材育成の一環として転勤や異動が命じられることになります。

要は、経験を積むことが重視されます。

企業の事業展開に合わせて、国内だけでなく、海外への転勤という大きな変化が伴うこともあります。

 

企業によっては、その勤務地の範囲を特定の地域内に絞ったエリア総合職を設けているところもあるようです。

一般職のほとんどは、異動や転勤の可能性は少ないでしょう。

 

キャリアアップ

キャリアアップを昇進や昇給することと考える場合は、断然、総合職のほうが適しているでしょう。

昇進のスピードも昇進できる幅も大きいはずです。

総合職に配属された場合、総合職を対象としたキャリアアップやスキルアップのための教育や研修を受けられることもメリットでしょう。

 

一般職でも、視点を職務能力の向上などに向ければキャリアアップは可能なはずです。

ただ、マネージャー職などポジション的な部分を希望する場合は、総合職への転換を求められることになるでしょう。

 

人気度や倍率

就職活動をしていて気付く人も多いと思いますが、近年は一般職がとても人気です。

したがって総合職に比べると一般職求人への応募者の倍率はかなり高めになるようです。

とくに女子については圧倒的に一般職を希望する人が多い傾向にあります。

総合職は仕事がハードになりそうというイメージがあったり、転勤を避けたかったりすることからの選択のようです。

また、給与や待遇、キャリアよりも、ワークライフバランスや将来的なライフステージを充実させたいと思う人が増えているのも要因となっているようですね。

 

 

総合職と一般職では就活対策も変わる

総合職と一般職にはさまざまな違いがあることをお伝えしてきました。

どちらを選択するかは自分次第ですが、就職活動の内容や対策は、それぞれの特徴に合わせて進めていく必要が出てきます。

総合職や一般職についての就職活動でのポイントを確認していきましょう。

注意!企業ごとに括りが異なる

就職活動で総合職や一般職を選択する際に気を付けておきたいことがあります。

企業ごとの総合職や一般職の業務の括り、条件や待遇、教育体制が異なっているということです。

今回こちらでご説明している総合職や一般職の特徴もごく一般的な観点からご紹介しています。

 

そもそも総合職と一般職の括りがなかったり、違う名称にしていたりという企業もあるようです。

そのため、就職活動の中で欠かしてはいけないのが、自分が興味を持った企業の総合職と一般職の在り方をしっかりチェックするということです。

調べていくとわかってくると思いますが、企業個々に配置されている職種、職種配置の方針、総合職の教育体制や手段が違っているでしょう。

また昨今では、一般職でも充実した教育体制のあるところもあります。それぞれの働き方や一日の流も千差万別といっても過言ではありません。

 

総合職に応募するときのポイント

総合職で採用したいと思ってもらうためには、「主体的に動ける(もしくは動きたい)」「自分の思考力を伸ばして業務に活かしていきたい」「さまざまな経験の中で自分を成長させたい」という部分のアピールが必要でしょう。

エントリーシートの作成や面接の受け答えに、これらの点を盛り込みましょう。

 

一般職に応募するときのポイント

人気度が高いということをお伝えしましたが、一般職の倍率を勝ち抜くためには、「気配りができること」「サポートする能力に長けていること」「社内で良好、円滑な雰囲気を保てる人柄」ということが重視されるようです。

一般職でも向上心や自律性を持って働き続ければ、自分をステップアップさせていくことも可能ですから、それらの点をアピールしていくように心掛けましょう。

 

 

女性総合職ニーズの高まりと現状

ひと昔前は、総合職には男性、一般職には女性という概念がありました。

そのため現代では日本の女性管理職や幹部が少ないことが指摘されています。

男女雇用機会均等法や女性活躍推進法の存在もあり、近年では男女の働く環境の差を縮めるための取り組みも盛んになっています。

女性活躍推進企業が増加

少子高齢化の著しい日本ですが、人材不足は深刻化しています。

女性の能力も最大限に使っていきたいという国の状況から女性活躍推進法が生まれました。

社会的にも女性の活躍の場を広げるための取り組みを行なう企業の価値が認識されるようになっています。

 

求人の状況にも関わってくるので知っておきたいところです。

企業は、社員に占める女性の割合を増やしたり、管理職や幹部候補になる女性の雇用や社内育成を充実させたりしています。

その施策のひとつとして、総合職採用を積極的に行う企業が急増しています。

女性のキャリアに対する意識改革も積極的に行われています。

 

働きやすさにも配慮されている

女性にとって、仕事の活躍の場が広がったとしても、総合職を敬遠する理由は事欠かない現状があります。

出産や育児で両立が難しくなるだろう、自分のプライベートな時間が減るだろう…など。

しかし、女性が個々のライフステージを経験しながらも社会や企業で活躍し続けていくための法律も充実してきています。

総合職であっても、ワークライフバランスを保つことが理想的な仕事の成果につながることが認識され始めているのです。

もちろん能力を伸ばしていくことは必要なことですが、バリバリのイメージとはだんだん異なってきていることも視野に入れてみてください。

 

 

企業ごとの制度の状況を確認

就職活動での企業選択、もしくは、総合職か一般職かを選択する際には、企業にある雇用制度や人事制度を詳しく確認してみましょう。

同じ総合職でも、福利厚生や独自の休暇制度がどの程度充実しているかによって働き方が変わってくるでしょう。

教育体制がどのように組まれているかは、自分の個性や学び方との相性にも関わってきます。

 

仕事が多そう、大変そう、責任が重そうと思える総合職でも、負担をできるだけ軽減するための経営戦略や人事戦略をとる企業は増え続けています。

一般職を希望している人も、企業によって裁量度や責任のある仕事を任されたり、仕事が広範囲に及んだりする可能性はあります。福利厚生などの制度がどれくらい実際に活用されているかも知っておきたいところです。

実際にどういうもので、現状でどんな成果が出ているのかは、インターンシップやOB訪問などで詳しく確認してみることをおすすめします。

 

 

まとめ

総合職と一般職の違いについてお伝えしてきました。総合職と一般職は、どちらが優れているというものではありません。

それぞれの特徴が異なっているので、自分のキャリアやライフスタイルに関する希望や適性に合わせて選択していくことが大切です。

自分の理想とする将来像を考えてから当てはめてみると選択がしやすいと思いますよ。

 

【この記事を書いた人】
ペンネーム:リク研
ビジネススキルや人事採用についての研究・執筆をしています。

 


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